ドラクエを奏でよう

あとの人生はオマケみたいなもんだよ

ナイーヴな人々 -4

【side:♀】


「この前言いたかったこと、言えた?」

「うーん…」

「2割くらい?」


「そかw」
「一部でも、言えたんなら良かった」


ありがと。
リアルでつぶやいていた。

いてくれて、
来てくれて、ありがと。



「また来るよ」

「あ」
「もう行くのね」

「呼ばれちゃってね」


「忙しいのねぇ、かりんサマ」

「そうでもないよw」

「いつも誰かに呼ばれてる」
「私なんて、誰も呼んでくんないよ!w」


「こんなに毎日、ここで時間つぶしてるくらいだしw」

「ああ」
「貴重な時間を… 私が奪ってたのね;;」

「いやいやそういう意味じゃなく」


「好きで来てるんだから、いいんだよ」
「僕自身の自由意思よ」


・・・



「あっ!」

「そうだそうだ、危うく今日も忘れるところだった」

「ん?」


「フレンド申請!」

「おお」

「いつも、頼もうと思って忘れちゃう…」



「それは、またにしよ」

「え!?」


「僕、このままがいいかな」


どういうこと…?


「フレじゃない関係の方が、きっといいよ」
「今はまだね」

「・・・」


しょこたんとはフレンドお断り!とかそういう意味じゃないからね?」
「勘違いしないで」
「そこだけは釘を刺しとく」


「…正直に言っていい?」

「うん」

「理由がまったくわからないけど…」


「ごめんね」

「言えないんだ?」

「今はね」

「そっか」



「でも」
「また会ってくれる?」
「こうして」

「もちろんよ」


「良かった」

「なら、言う通りにしとく」
「(ほんとは寂しいけど…」

「w」


「その時が来たら、言うから」

その時、って何だろう…。


「その時は、こっちから申請するからさ」
「それまでもう少し、待ってて」

「分かった」


「『嫌われた』とか『避けられた』とか、思わないでね?」

「うん」

「そういうのとは、全然違うことだから。」
「理由があってやってることだからね」

「分かった」

「よしよしw」


「じゃ、またね」

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また~。



何故いつも、私は見送る側なのだろう。

たまには見送られる側になってやろうかな。
なんか悔しいから。


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フレンド申請をやんわり拒否されて、内心ショックだった。

が、今は信じるしかない。
「理由があってやってること」
この言葉を。


私には分からない世界がある。
かりんサマにも、例の彼にも。

私には説明できない・したくない「理由」が。





【side:♂】


「フレになってしまったらさ」


「また、苦しむよ」

「同じところでね」



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

ナイーヴな人々 -3

【side:♀】


「同じにおい、って言われて」
「嬉しかった?」


・・・。


「うーん」


「たぶん、嬉しかった」
「と、思う」

「自分もそう思ってたんだ?同じにおいって」

「そうかもしれない」



「ただの尊敬よ」


向こうが口を開く前に、先に言う。

何か言い当てられそうな気がして、牽制した。


「そんなの、お世辞でも社交辞令でもいくらでも言えることだし」

「真に受けて喜んでるわけじゃないさ、別に」



「尊敬か」

「そういう対象がいるのは、良いことだ」


「いいのかな」

「大いに結構じゃないか」



「避けられてても?」



「自分が良くても」
「相手にとっちゃ迷惑、ってこともあるからな〜」



「何か、迷惑をかけることを具体的にしたわけじゃないんでしょ?」

「した記憶はないけど」

「非・意図的にね」


精神的に圧迫はかけてたのかも。



「自覚がないんなら、多少は仕方ないさ」
「そういう互いの温度差みたいな部分は、どうしても出てきてしまうものだし」


温度差…


「きっとどこかで何か、」
「気に障ることをしてしまってるんだろな」
「知らぬ間に」

「それはまあ、」
「誰との間にも起こり得ることだよ」


「理由を知りたいだけ」

「なんでなのかな、ってね」
「単にそれだけよ」


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「思うに 仮に聞いたところで」
「理由として本音をそのまま言うことは、たぶんないんだろうね」

「だと思うよ」


向こうの優しさなんだろな。
言えないから、煙に巻いてる。



「まあ それは、」
「実際に相手がどう出てくるかを見てからまた考えればいいことさ」

「今のこの、これは」
「真実が分からない2人が外部でアレコレ憶測してるだけに過ぎないんだし」


「それはそうね」


聞けたら楽になるんだろうか。

それとも…。



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

ナイーヴな人々 -2

【side:♀】


「似てる、って」

「言われたら、嬉しい?」


「誰から?」

「誰でも」
「友達でも好きな人でも通りすがりでも、何でも」
「男女問わず」


「相手によるんだろうねぇ、それは」

「どんな相手だったらいいの?」

「うーん」
「自分が似てたら嬉しいな、と思う相手?」


「逆に、似てたら嬉しくない相手ってどんな相手なの?」

「それは、まぁ、」
「例えば」

「自分はこういうことはしたくないな、ってことをする人とか」
「なんて言うんだろう」
「信条が違うとでも言うのか」
「プレイスタイルが違うというかね。」


「ふぅん」

「ま、それはそっか」


「似てるね って 言葉は」
「傷の舐め合いなのかしら」


「そうとも限らないんでは?」

「似てる部分は、影の側面だけじゃないかもだしね」

「影の側面」

「うん」


「趣味や好きなものが似てるね、って言ったら」
「それは傷の舐め合いではないでしょ」

「そうね」


しょこたんが言ってるのは」
「何か心に抱えたものがあって」
「それを互いに出し合ってみたら、実は似てたねっていう」
「そういうことでしょ?」


・・・。


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「『同じにおいだ』って」

「ふむ」


「何か言う前から『こうだろ』って」
「いつも先読みされる」


「なんで分かっちゃうのかなと思ったら」
「同じにおいがするんだって」


「感じ取ったんだろうね、何かを」


「実際に話していなくてもね」
「こうやって、テキストで会話してるだけなのに」
「なんでか、分かっちゃうよね色々」

「伝わるよね」

「なんでなんだろうね」
「ただの文字なのに」


「相手の想像力によるのかな」

「想像力」

「うん」


「行間を読むっていうのかな」
「それが出来る人と 出来ない人」
「もしくは、積極的にする人と しない人」

「ああ なるほど」


「出来ない人か しない人は」
「そういうのは、感じ取らないよねきっと」

「そうかもね」



「かりんサマみたいだw」

「え?」

「同じにおいがする、の人」
「いつも何でも、手に取るようにバレてる」


「w」
「その人も、透視能力あるの?」

「うん」
「たぶん、あるw」

「そかw」



「かりんサマ、」
「同じにおい、する?」
「私に対して」


別に深い意味はないが、なんとなく聞いてみた。


「どうなんだろうねw」


はぐらかされた。



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

ナイーヴな人々 -1

【side:♀】


医者が言ったよ
励ましの言葉は禁物です、って
そうなの?
それはそれで
正しかろうが
君に僕は期待してんだ



「1人が楽よw」

そんな答えがあっさり返ってきた。


「一緒に行かない?」

たったこれだけのことを聞くため、どれだけ勇気を出したというのか。


…友人にひとつ尋ねるだけで、なぜここまで勇気が必要なのか。



そっか。
分かった。


何も分かってないけど「分かった」、って言う。


(私と一緒に行きたくないっていう意思は)分かった。
(だけど他の人なら自分から誘うっていう状況は)分かった。
(1人が楽なんじゃなくて、行く相手を選んでいるっていうことが)分かった。



分かってるよ。

ハッキリ言えばいいのに。


==============================

少し遅れて到着すると、そこには誰もいなかった。

あれ…。
まさか、もう帰っちゃったかな?


いやいや、今日は忙しかったのかもしれない。
毎日毎日、同じ時間に同じ場所になんて、ねえ。

そらそうよ。
約束をしているわけでもないのに。


少し待ってみよう。



・・・・・・・・・



20分が経った。
スマホで遊ぶのも、飽きちゃった。


今日はもう、来ないんだな。

帰ろうかしら。


…と言いつつ、「あと2分」
あの時計の針がキリ良く25分を指すまで…

「あと5分」
ちょうど30分になるまで…

諦め悪く、いつまでもその場所を離れられずにいた。


しょこたん、何か行かない?
とでも誰かが声をかけてくれれば、いつでも乗るのに。


こんな時に限って、誰からも呼ばれることはなかった。



「あ」


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「いたいた」
「良かった」


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「待ってたよ!」
「来ないかと思ったw」

「ごめんごめん」


「危うく帰るところだった」

「間に合って良かったw」


なんてな。

帰る気もなかったくせに、「帰るところだった」だって。



「ここさ」

「一番好きだ、この場所」


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「綺麗だよね」

「偽じゃないと、この色は出ない」
「真じゃなくて」

「うん」


「なんでここ指定だったんだろうね?」

「ねぇ」

「指定した人の意図が分からないままだからね」

「そうだよね」



約束もしてないのに、いつもなんとなく待ち合わせて。

フレでもないのに、洗いざらい打ち明けて。


変な関係。うちら。



ナイーヴな人々 ナイーヴな人々
世界をそうっと美しくしてくれるのは
そういう人だ
そうだろう?



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。





Ten(通常盤)

Ten(通常盤)

非ゼロ和ゲーム -6

【side:♀】


「こんな真面目な話をするつもりじゃなかったのに…w」

「いいじゃないか」
「その真面目さを取ったら、しょこたんじゃなくなるよ」


「こんなのがアイデンティティーだなんて…」

「否定はそこでストップね」

「はい…」


「その話をするつもりじゃなかったんなら」
「もっと他にあったってことだ」
「言いたいことが」

「うっ」


「まあなんとなく、分かってたw」
「本題は違うだろうなって」

本当になぜ、毎回バレる…。


「なんかさ」
「いつも私ばっかり喋ってない!?」

「次はかりんサマの話を聞かねばだよ~」


「僕?」

「いいのよ」
「僕は別に」


「良くないよw」
「こんな一方的に喋ってるだけじゃ、会話にならない」
「これじゃただの、独演会だw」


「独演会でいいじゃないw」

「どこがいいの!w」

「好きで聞きに来てるんだし」


「えっ」

「聞くために来てるから」
「これでいいんだよ」


こんなものを聞きにわざわざ来てくれてるだとぅ…

なんて奇特なんだ。


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「さて」
「そろそろまた、行かねばだよ」

「あっ」
「そうね… もうそんな時間だね」


「今日言えなかった話、」
「ちゃんと温めておいてね」
「また来るからさ」


う゛っ・・・。


「いつでもいいんだからね」

「言いたくなった時が、言うべき時だ」


え、次はいつ…

と打ち込んでいる途中で、


じゃ、またねぇ。


3日前と同じように、飛んで行く姿を見送るしかなかった。


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・・・・・・


「うわあああーーーーっ」

また…忘れた…
フレンド申請。


「駄目だっ、今度はメモしとこう」

次こそは。





【side:♂】


「いつでも、なんて」

「なんでそんな都合良いこと、言っちゃうんだかな」



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

非ゼロ和ゲーム -5

【side:♀】


「この前の歌詞、」
「覚えてる?」

「疲れるだけ もうやめたい」

「そそ」


「あれ、タイトル『非ゼロ和ゲーム』って言ってね」


複数の人が相互に影響しあう状況の中で、ある1人の利益が、必ずしも他の誰かの損失にならないこと、またはその状況



「これが、『非ゼロ和』ってことなんだってさ」

「難しいね」


「例えば、1つのホールケーキがあって」
「それを何人かで分けるとして」
「その全員が、お腹が空いていたとする」

「ふむ」


「ケーキの取り分は、多ければ多いほど良い」
「この時、誰かの一切れが他の人よりも大きいと」
「残りの人はその分、少し損をすることになる」

「うん」

「これを、『ゼロ和』と言うらしいんだよね」
「誰かが得すると誰かが損する状況」

「なんとなく理解した」


「『非ゼロ和』では、限られたパイを奪い合うんではなくて」
「そもそものホールケーキの大きさや個数が決まっていない状況らしい」

「お腹の空いてる人全員でケーキ食べ放題に行って」
「分量の心配なく、好きなだけ好きな量を食べる」
「誰かが食べ過ぎることによって食べられなくなる人は、誰もいない」
「そんな状況を『非ゼロ和』と言うらしい」


「おー、分かりやすい」

「たぶんねw」
「私もいまいちよく分かってないし、間違ってるかも」


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MMORPGは、非ゼロ和なんだって」

「ほう」

「PT組んで共闘して一つの勝利を目指す」
「誰かが一位になることを目的としてる訳じゃないから、ということらしい」

「言われてみればそうかもね」


「この前ね」

「ある友人が」
「コインボスに呼んでくれて」

「うん」


「呼ばれて参加してみると、その人の友人がさらに2人、既にいたわけよ」

「知ってる人?」

「ううん」
「どっちも、知らない人。」


「2人ともレベルが低くて」
「行こうとしているボスは、新しくて強めなやつだったから」
「大丈夫なのかな?と正直、思った」
「行く前から心配してた」

「ふむ」


「レベルが低くても上手な人もいるし、」
「見た目の数字関係なく、装備の耐性がちゃんとしてるだとか、」
「ボスに合わせた戦い方とかを知っていれば、全然問題ないし」
「レベル低い奴はお断り!って意味じゃなくてね?」

「うん」


「でも実際に行ってみたら」
「全然だった…」

「おおう」


「3人ともほぼNO耐性で」
「状態異常くらいまくり、死にまくる」

「結果、負けてさ」


「負けてもいいのよ、私は」
「残念だったねー!またいこー!で終われる」
「勝ち負けには、そんな執着しない」

「うんうん」


「でも、呼んでくれたフレがね」
「もっかい行くぞ!って」

「負けたままで終わりたくない、っていうその気持ちも、」
「まあ分からなくはない」


「問題は」
「その人のフレに、初心者がいて」

「ほう」

「『嫌だよー!行きたくないー!』ってずっと言ってたの」


「『戦い方もよく分かんないし』」
「『装備もアクセも、いろいろちゃんと揃ってないから』」
「『行くなら他の人を誘って…』」
「と、ずっと嫌がっていたわけ」

「お~…」


「でも、私のフレがそれを頑なに拒否してね」
「ダメだ!勝つまで行くぞ、と」
「分かんないなりに何度かやっていればいつかは勝てる」
「って」


「で、半分強制連行状態で、連戦したわけ」
「でも、全部負けるの。」
「当然だよね」

「つらいな」

「そうなのよ」


「安くないコインだよ?」
「一番最新のボスだしね」

「もっかい!って」
「PT主が、本人の意地だけで投入する」
「残る3人はもう、ついて行くだけ状態」

「あるねぇそういうの…」


「何敗もしてね」
「初心者の子があまりにも嫌だ、行きたくない、言うもんだから」
「なんだか、見ててかわいそうになってきちゃってさ…」

「分かるよ」


「『本人が乗り気じゃないんなら、やめるって手もありだよ?』」
「『嫌なのに無理やりやらせ続けたら、嫌いになっちゃうよw』」
「って、つい提言しちゃった」

「うん」


「そうだね、じゃ解散するか、ってなるかと思いきや」
「『ふむ』と言って」
「泣きの1回!ってまた行くことになったw」

「うわあw」


「その最後の1回で、なんとか勝利出来たんだけどね」

「おお」

「個人的には、すごくモヤモヤしたものが残った」


「解散後、主からフレチャが来て」
「自分の意地に長時間付き合ってくれてありがとう、と」


「本人にとっては、良かったんだろう」
「『負けたままで終わるのは嫌なんや』と言ってた」
「自分の納得がいくまで、スッキリ勝って終われるまで続けられて」
「本人は満足なんだろうけど」

「うん」


「それって、自分が気持ち良いだけでしょ?」

「周りが行きたいかどうかも考えずに」
「て言うか、むしろ嫌だと言ってるのに、連れて行かれる側の意見は無視で」
「『初心者の初見ボス初勝利を手伝ってあげた!』ってさ」
「そういう、『してあげた感』に酔ってるだけなんじゃないのかなって」

「そうかもしれないね」


「相手の都合、何も考えてないよね」
「自分がやりたいことをやっただけ」

「最後のその勝利で、その初心者の子は本当に喜んでいたのかな?って」
「嫌だ~行きたくない~とずっと言いながら、何敗も何敗もして」
「その1時間近くの間、本当に楽しかったのかなって」


「傍から見て、あまり気持ちのいいものではないよね」

「でしょ」

「きっと自分を責めちゃうよね」
「自分が出来ていないせいで負け続けるし、3人を拘束してしまっている、ってね」

「そう思っちゃうかもね」


「人と組むならやっぱり、皆が楽しめることが一番だと思うんだよね」

「うん」

「誰かの犠牲の上に成り立つ自分の満足、じゃなくてね」
「組む相手が自分の友人なら、なおさらでしょ?」

「その通り」


「今回のPT主にとっては、本人的にはきっと『非ゼロ和』のつもりだったろうと思うんだよね」
「自分は高価なコインという犠牲を払っているけど、」
「ボスに勝利→皆の喜びにつながるから、」
「自分も含め誰も損はしていない、っていう」

「でも私から見たら」
「1人の意地が」
「3人、特に乗り気じゃない初心者さん、を振り回して」
「3人のヤル気と時間とアイテムを代償に得られた」
「主の自己満足を満たすためだけの、ゼロ和」

「そんな風にしか見えなかった」


「なるほど」


「決して嫌いじゃないのよ?」
「その主さんのことw」

「うんうん」

「呼んだらいつでも、どんな用事でも『行くー』って快く来てくれる人だし」
「PT組んだら楽しく話しながら遊んでくれるから」
「よく声かける」


「でも、こんな風に周りを顧みずに意固地になるとは」
「思ってなくて」


「知らなかった相手の一面」
「急に目にして」
「戸惑うことは、あるよね」

「うん…」



「その人と」
「また、遊んであげる気はある?」

「もちろんよ!」
「こんなことで、嫌いになったりなんてしない」
「変わらず大事な友達の一人だ」


「良かったw」
「僕の思ってたしょこたんだった」


不意にストレートに言われて、恥ずかしくなった。


しょこたん、ほんと真面目だなぁ」
「全力でゲームに取り組んでる感じがする」

「あああやめてw」
「本当に恥ずかしい…」


「褒めてるんだよ?」

「だめだ…穴があったら入りたい…」



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

非ゼロ和ゲーム -4

【side:♀】


翌日、思い返して急に恥じ入る。


何やってんだ私…。

会ったばかりの人に、聞かれてもいないのに自分のこと、あれやこれやさらけ出して。


「うわあああああああ」

自分のバカッ、アホッ!
思わず変な声が出るけど、叫んだところでどうしようもない。


でも、良かった。
いい人で。


初対面の相手のあんな(どうでもいいような)話をあれだけ長時間、文句も言わずにずっと聞いてくれて。

フレになれたら、仲良くなれるのだろうか。


…いやいや、調子に乗るんじゃない。
あれは単に、相手が親切だっただけ。

空気を読んで、こちらに合わせてくれていただけだ。


無意味な期待は持つな、自分。



「今日もいるのかな」

ちょうど21時になろうかという頃だった。


またあの場所へ行けば、会えるのだろうか。


=========================

「間2日…」

行きたい、と思いながらも足を運ばぬまま2日が過ぎてしまった。


行けなかったわけじゃない。
行かなかった。


昨日の今日じゃさすがに必死感が出るかな、と妙な心配をしていた。


…何言ってんだ、自分。
男キャラだからって、中身まで男かどうかなんて分かんないのに。

私は恋愛脳じゃないぞ?



…などと自分に言い訳をしつつ、3日後の同時刻に同サーバーの同場所へ向かっていた。


約束は、していない。


「まあ、ね」

いるかどうかも分からないんだし。



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「いたっ」



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「かりんサマ!」

「やぁ」


「会えた~」

「だねぇ」


「忙しかったりした?」

「全然、いつも通りだったよ」
「かりんサマは?」


「僕?」

「ここで毎日、様子見てたw」

「!」


「昨日も一昨日も?」

「ここにいたよ」


「うわああああああああ」

ああ、自分のバカアホマヌケ。

変な見栄張らずに、すぐに来れば良かった…。


「あああああ」
「いると知ってたら、来てたのに…;;」

「約束してたわけじゃなかったしねw」

「うう、それでも、ううう」

「まあ、こうしてまた会えたんだし」



「…で、どうだった?」

「ん?」

「昨日と一昨日、ここで何か変化はあった?」
「誰かが来たとか」
「何かイベントが起こったとか」


「それがねぇ」
「な~んにもないのよ」

「3日前と同じ?」

「うん あの状態w」

「そっか~…」


「何だったんだろね」

「結局謎のままか…」


「まあ でも」
「また会えたから」
「それはそれでいいんじゃない?」

「そうかもw」



しょこたん
「何かまた、話したいことがあったんだろう」

「う゛・・・」

「だから今日も、ここに来た」
「違う?」


「ねね、」
「なんでさ、毎回」
「心を読むように全部分かっちゃうの!?」

「はっは」
「すごいだろうw」

「ほんとスゴイ!」


「僕、透視能力あるのよw」

「えええ!?w」

「何かある、って」
「そういう顔してる」


キーボードの上に伸ばした手は、そのまま動かなかった。

そういう顔…。


「人のね」

「考えてることが、分かるよ」
「なんとなくね」


同じだ。


私もね、

分かるよなんとなく。


思い違いで終わることが多いけどね…。



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

非ゼロ和ゲーム -3

【side:♀】


「ふと、我に返ってしまうときは、あるよね」

「かりんサマも、あるの?」

「うん、あるよ」


「こんなの、って言い方もアレだけどさ」

「うん」

「こんなのに、ここまで時間かけて、」
「最終的に何が得られるのかなって」
「時折ね、ふっと」
「何してるんだろうな自分、って思う時は、たまにあるかな」


「みんな同じなんだねw」

「そらそうだよw」

「そっかw」
「安心したよ」


「でも、それを否定する必要もないんだよ」
「それだけ時間をかけて得られたものだって、何かあるはずなんだから」

「あるのかな…」

「あるさ」


「クヨクヨしてるだけなのに?w」

「それだって、何か進展してるはずなんだよ絶対に」
「どこかでね」

「そうかな…」

「うん」
「間違いないよ」


「クヨクヨが、何の役に立つの?w」

「その分、経験値になったじゃないか」

「経験値…」

「そう」
「いっぱい考えていっぱい悩んで、経験値積んで、」
「レベルが上がって、次のステージへ進めるのさ」
「次に同じ場面に遭遇した時に、もっとああしよう、こうしよう、ってね」
「選択肢が増えるだろう」


「新しいスキル、覚えたのかなw」

「そうかもしれないねw」

スキルポイントの割り振り、悩んじゃうねw」

「うんw」
「悩めるくらい、いろいろなことが出来るようになった」
「それが、選択肢が増えたってこと!」
「自分の幅が広がったんだよ」


「無駄な時間なんて、何一つないんだ」

「勉強していようと、スポーツしていようと、ゲームで遊んでいようと、」
「下手すりゃ、ただボーっと瞑想しているだけでもね」
「何かしていればきっと、そこには結果が必ずついてくるよ」
「それが望んだ結果であろうとなかろうと、ね。」


あろうとなかろうと、か…。


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「…誰も来ないねw」

「そういや、そうだねw」

時計は23時を指していた。


「もう2時間もここにいたのかw」

「あっという間w」

「うん」


「結局何だったんだろうなぁ、あの暗号は」

「今日じゃなかったのかもしれないよね」

「うんうん」

「また来てみるしかないかぁw」


「初対面のかりんサマに、なんだかいろいろ話してしまったなw」

「ほんとだねぇw」
「話し込んだね、深くまで」

「初対面な感じがしなかった…」

「同じくだよ」


「急に変な話ばっかりしてごめんw」

「それがいけないよ?w」

「ん?」

「ごめん、って謝るのw」
「何も悪いことしてないじゃないか」


「ああ…」
「ごめん、これクセだ…」

「またごめんて言ってるw」

「あああああw」


「気楽に生きろ、なんて言わないよ」

かりんサマが、こちらを見た。


「嫌いでしょ?そう言われるの」

「考えすぎないで!もっと気を抜いて、気楽に!」
「って言われるの、もうウンザリして飽き飽きなんでしょw」

なぜ、バレたんだろう…。


「いいんだよ」
「そのままでね」

「無理しなくて、いいんだから」
「出来ないこと、しようとしなくてもね」

「そのままでいれば、いいんだから」
「何も否定する必要はないんだよ」


「うん」
「ありがとう」


「考えすぎるな!なんてさ」
「言われたとしてもね、」

「うん」

「出来るもんならとっくにしてるよ!ってねw」

「w」
「そうだね」


「出来ないからこそ、悩んでるのにね」
「余計なお世話だ!と言ってやればいい」

「その通りだよw」
「かりんサマは、何でもお見通しだなぁ」

「へへへ」
「すごいだろw」

「すごい!」


「考えすぎて悩んじゃうってのは、悪いことばかりではないはずだし」
「それは長所でもある、浅はかな行動はとらないとか、慎重だとかね」
「だから自信持てばいいと僕は思うけど、」
「それでもまた自信なくすことがあったら、何度でも言えばいいよ」

「えっ」
「誰に?」


「ふふっ」

椅子から立ち上がる。



「呼ばれちゃった」


「あっ」
「そかぁ…」


「行ってくるね」

「うん」


何故なんだろう。

急に寂しくなった。


つい2時間前に会ったばかりなのに。


「また」
「会えるかな?」

一瞬、ルーラ石を取り出そうとして、かりんサマはその動きをやめた。


「もちろんだよ」


~★

かりんサマから しょこたんに いいね!


「ありがと!」


「最初に言ったでしょ?」
「救いが欲しい人がいるかと思って、ここに来たんだよ!」


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またね~!

白チャでそう言いながら、ルーラ石で飛んで行ってしまった。



さっきまで椅子があって彼が座っていた、今は空になったその場所を、いつまでもただ眺めていた
もう誰もいないのに。


話を聞いてくれる友人なら、たくさんいる。
皆、気の良い友人たち。


でも、欲しい言葉をくれる人はそういない。


欲しい言葉をくれる人。

あくまで、「自分が」欲しい、言葉。


自分に都合のいいことだけを言ってくれる人。
そんなのを周りに求めるだなんて、ほんと自己中だな私。


…ああ、こんなことを言ったらまた、「否定する必要はない」ってかりんサマに言われてしまうなw



「ああああああああ」

リアルの方で、声が出ていた。

「フレになってもらうの忘れた…」


手痛いミス。

次にいつ、どこで会えるのか、それすら分からないのに。
約束もしていないのに。


「まあ、まだ初対面だし…」


最後の言葉、信じて待つことにしよう。

おやすみ!よりも、お疲れさま~よりも好きな言葉。


「またね。」





【side:♂】


「イイネの11、か」


「『独り』と『独り』」
「の、1と1」


ログアウトしたPCを閉じながら、そう独り事を言っていた。



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

非ゼロ和ゲーム -2

【side:♀】


しょこたんは」
「ここ、もう長いの?」

いつの間にか、口調は砕けていた。


「どうだろうね」
「2年近く」
「それって、長いのかな?」

つられて自分も、同じ口調になる。


「うんうん」
「僕よりはずっと先輩だw」

「あれ、かりんサマはもっと若いのねw」

「まだ全然だよw」

「1年とか?」

「ううん、もっとずっと最近w」

「へえw」


「一度やめててね、」
「また戻ってきた」

「そうなんだ」

「うん」
「だから2年と言っても、間がだいぶ空いてる」


「やめてたってのは、仕事とかリアルの都合で?」

「ううんw」


「そかそかw」
「いろいろあったんだね。」

「うん」
「いろいろ、あったんだよw」


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しょこたんも、救いを求める人?」

急に言われて、なぜかギクリとした。


「あ・・・」

「?」


「あれなのかな」
「私、呼び寄せられたのかな!?ここに!」


「あっははw」

かりんサマが笑う。


「あの暗号にかw」

「うんw」


「『疲れるだけ もうやめたい』なの?」


・・・。


「昔ね」

質問には答えず、しれっと話を変える。


「『ゲームやってる奴らのこと、俺、どこかでバカにしてるよ』」
「って」

「ここにいた友人が」


「へえ」


「人を馬鹿にするような友人なんだよ、って話じゃなくてね!」

「うん」

「そうじゃなくて」


「効率を求めるやつが嫌いだと」

「アクセの数値が1増えようと、どうでもいいし」
「自分のくだらない見栄のために人を陥れようとしたり蔑もうとしたり」
「そんな目的のためだけに誰かを利用しようとしたり」

「そんなのに必死な、そういう奴らに巻き込まれるのに疲れた、と」

「ふむ」


「私もね」
「そんな風に思うことが、たまにあるんだ」

「誰かに対して『馬鹿馬鹿しいな』っていうんじゃなくてね?」

「うん」

「むしろ、自分に対してね。」


「『常に全方位に気を遣ってる感じ』ってね」
「友人が言うわけ」
「さっきの友人とは別の人がね。」

しょこたんのことを?」

「うん そう。」
「よく、考えすぎだよって人から言われるの」

「ほう」


「自分ではね、わざとそうしているつもりも全然ないんだけど…」
「なんて言うのか、これはもうね」
「クセなんだよねw」

「そうやってずっと生きてきたんだ」

「うん。」
「ずっと、これが普通だと思ってたの」

「逆に、そうじゃない生き方が分からないのね。」

言い当てられて、ドキリとした。


「そう、だね」


「周りの人のね、付き合いがある人たち」
「彼らの気持ちを一個一個、推し量って、」
「ああだったんだろうか、こうだったんだろうか、って」
「彼らの一挙手一投足を隅々まで観察して」
「いちいち浮かれたり落ち込んだりするw」

「汲み取りすぎちゃうんだね、人の気持ちを」

「人が何を考えているかなんて、分かるわけないのにね…w」

「気配り上手なだけじゃないか」
「優しいってことだ」

「違うよ!!!」


「優しくなんてない」
「自分勝手なだけ」

「自分勝手?」

「うん」


「なぜ、そんな事ばっかりするか分かる?」

「優しいからじゃないの?」

「違う違う」
「自分のためなんだよ」

「自分のため?」

「誰からも嫌われたくないからw」


「だから、多方面にいい顔しようとして」
「八方美人に取り繕ったり、心にもないこと言ったり、」
「人の気持ちを察して分かったような気になったりしてるだけなんだよw」

「気を配れる優しい自分、を演じてるだけ」
「ただのええかっこしいだ…」


「そうかなぁ」

「人から嫌われすぎてねw」
「だからどうしたら嫌われないのか、一生懸命考えたら」
「自然とこういうやり方になってた」


「それ、あれでしょ」

「何か、相手が急に沈黙したりしたら」
「全部自分のせいだ!って思うんでしょ?」

「う゛っ・・・」

なんで分かるの…?w


「きっと自分が何かしたせいで相手を怒らせたんだろう、って」
「全部自分が原因になって、理由もよく分かってないけど自分を責める」
「でしょ?」


「かりんサマ、」
「図星過ぎて刺さる!w」
「痛い!痛いよ!w」

「はははw」

「嫌われることを恐れる人の特徴だ」

お見通しだった…。


「だから、よく思うんだよ」
「馬鹿らしいな自分、ってね」

「言ってみればこんなの、たかがゲーム、」
「単なる遊びじゃんか」

「うん」

「単純バカになってわー楽しい!って遊べばいいだけなのに」
「どうしてもそれが出来なくてw」

「いちいちこうして、クヨクヨしたり」
「バカみたいだよねw」


「真面目に向き合ってる証拠じゃないか」

「真面目に向き合う必要なんてないんだよw」
「遊びに真面目になってどうすんの、って話さw」

「そんなこともないよ」


「これでもね、一応」
「10代とかそんな若いワケじゃないし」
「イイ齢した大人がさw」

「遊びの世界で、必要以上に真面目に向き合って」
「顔も素性も知らない相手の発言1つ1つに」
「悩んだり疲れたりしてるw」

「そんな自分の姿を客観的に見て、馬鹿だなって思う」
「周りの目にも滑稽に映るんだろうなって」
「『そこまで真に受ける必要ある?w』と見られてるだろうな、ってさ」


「それだけ本気で取り組んでいるんだよ」

「本気で取り組む必要ある?w」
「遊びなのに…」


「何でもいいんだよ」

「遊びだろうと、何だろうと」
「何事も、真剣に取り組む行為を否定する必要はないさ」

「趣味の世界は尊いよ」


かりんサマの視線が、遥か彼方で地平線に沈みゆこうとしている月を捉えていた。



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。

非ゼロ和ゲーム -1

【side:♀】


「ニーイチゼロゼロサバイチイチニセアラハシーロク」


聞こえてきた暗号のような言葉に、スマホを操作する手をふと止めた。


声は、続けてこう言った。

「おかしなルールのおかしなゲーム」

「疲れるだけ もうやめたい」


若そうな男性の、ナレーターのようにトーンの柔らかな声だった。



石のように固まったまま、聞こえたセリフを脳内で復唱する。


ニーイチゼロゼロ。

サバ、イチイチ。

ニセアラハ、シーロク。


これって…。


…聞き間違い?

いや、そんなはずは。


アラハ。

シーロク。



直ちにスマホで検索する。

何もヒットしない。



皿立てに立てかけられた壁時計に目をやると、針は20時42分を示していた。


…まさかな。





…いや、でも。


食べ終えた食器を片付け、再度スマホでかけた検索が望む結果を何も表示しないことを確認してからブラウザのタブを閉じ、PCを起動した。


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その場所へ向かうと、誰かが立っていた。


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近付くのがなんとなくためらわれて、しばし遠巻きに見ていた。


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もう一度時計に目を向ける。

20時56分。



ほんの少しだけ、近付いてみる。



「こんばんは」

向こうから話しかけられてしまった。


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「こんばんは!」

慌てて、定型文そのままみたいな何の飾り気もない返事を打ち込む。



何か話しかけてくるのかな、と思いきや、挨拶っきりだった。


「あの」

「もしかして、あなたも?」


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…沈黙に耐えかねて、つい自分から口を切ってしまった。



「?」


うわ…

これ一番、返事返しにくいヤツ…


ええい、こうなったら仕方ないっ。


「21:00、サバ11、偽アラハ、C6」

「これを、あなたも聞いたのかなと思って」



「ああ、」

「同じでしたかw」

かりんサマ、と頭上に表示されたその人が初めて打った「w」の文字に、なぜか少し安堵していた。


「あ、やっぱりそうでしたかw」

「ということは、あなたもそうなんですね」

「ですです」


「FMがお好きなんですか?」

「と言うよりも、音楽が好きでねw」
「さっきはたまたま、ラジオをかけていたという次第ですw」


「なるほどね」


彼は、椅子を取り出してきて座った。


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真似をして、自分も椅子に座る。


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「CMの合間でしたよね」

「唐突でしたね」


「どうしてあんな暗号が、FMから流れてきたんでしょう?」
「何かのイベントかな?」

「さて、ねえ。」
「僕もそれが知りたくて、ここに来てみたんですよ」


「そうですよねw」
「あれだけで、詳細が分かる人なんているわけないよねw」

「うん」
「あれを聞いて、この時間にこの場所だ!とピンと来る人自体が、少ないかもね」


「いつの日だとも言ってないしねw」
「今日だとも別に言ってないし」

「うん」
「そもそも、2100だって時間のことかどうかも怪しい」

「そうだね」


「サバ11…」
「ここ指定の理由は何なんだろう?」

「ボッチ専用サバだよね」

「あっ、分かった!」
「イイネの11とか!」

「あははw」
「なるほど」



「私はね」
「その後のフレーズが、気になって」

「疲れるだけ、ってやつ?」

「ですっ」


「あれはね、歌詞の一部なんです」

「歌詞!」

「うん。」


欲張りな奴は寂しがり
いつだって何かに怯えているよ
おかしなルールのおかしなゲーム
疲れるだけ もうやめたい


「へえ、そうなんだ」
「よく分かったね」

「これを歌っている人が、好きなんですよ」

「そっかぁ」

「そんなに有名な人たちでもないから」
「なぜ彼らの歌が出てくるんだろうと思って、驚いた!」

「ふむふむ」


「歌詞で歌われている『ゲーム』は、別に、『ゲームで遊ぶ』のゲームの事じゃなくてね」

「うん」

「勝負、とか駆け引き、とかそういう意味の方の『ゲーム』でしょうけれどもね」

「うんうん」



「僕ね」
「誰か、やめたいなって思っている人がここに来るのかなって」

かりんサマが、遠くに目を向けた。


「何か 誰かの」
「助けてって暗号なのかなと」

「救いが欲しい人が誰か来るんだろうかと」
「そう思って、ここに来ましたよ」


ふとこちらに戻ってきたかりんサマの視線は、優しかった。


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「そかぁ」

何故かは分からないが一瞬気恥ずかしくなり、目をそらした。


…見透かされているのだろうか。




「…誰も来ないねw」

「ほんとだねw」


「もうしばらく待ってみよっか」

「そうだね」



to be continued…

※登場人物・設定・セリフ等すべて創作(フィクション)です。





愛をあるだけ、すべて(通常盤)

愛をあるだけ、すべて(通常盤)